1. FASS検定とは?経理の現場で注目される理由
経理のキャリアを築いていくうえで、
「自分のスキルをどう証明するか」は悩みどころです。
そんなときに注目されているのが「FASS検定」です。
正式には「経理・財務スキル検定」と呼ばれ、
経済産業省の支援により開発された検定試験です。
FASS検定が他の資格と違うのは、
「実務スキルの習得度」を評価する点です。
いわば、“現場で使える力”に特化した試験。
これが、企業の人事や経理責任者から高く評価される理由です。
✔ スキルの「見える化」ができる

FASS検定では受験者の能力をA〜Eの5段階で評価します。
自分の得意分野や苦手な部分が明確になるため、
スキルアップの指標としても非常に有効です。
また企業側も、どの分野を強化すべきか判断しやすく、
社内研修や配置の参考資料として活用されることも増えています。
実際、FASSの結果はレポート形式で表示されるため、
職務経歴書に「FASSスコア Bランク」と記載するなど、
転職活動でのアピール材料としても活用可能です。
✔ 企業の導入も進んでいる
FASS検定は個人だけでなく、
多くの企業でも社内のスキルチェックとして採用されています。
たとえば、上場企業や大手メーカーの経理部門では、
FASS受験を評価項目に含めている例もあります。
特に中堅社員やリーダー候補の評価軸として、
「実務にどれだけ強いか」を客観的に判断できる点が魅力です。
今後、FASSのスコアを持つことが「スタンダード」になる可能性もあるでしょう。
このようにFASS検定は、
単なる資格取得を超えて「スキルの見える化」を実現するもの。
経理職としての成長を目指すなら、
検討してみる価値は十分にあるでしょう。
2. 検定の内容と難易度
FASS検定は経理・財務の4つの分野に分かれ、
それぞれの実務力を測る構成になっています。
✔ 4つのスキル領域
FASS検定では以下のスキルが評価対象です。
- ① 資金管理(Cash Management)
- ② 税務(Tax)
- ③ 決算(Closing)
- ④ 予算・管理会計(Planning & Control)
この4領域について、
約100問の選択式問題が出題されます。
設問は実務に即した内容で構成され、
「請求書の処理はどのタイミングが適切か?」
「消費税の処理はどう記帳するか?」など、
知識と判断力が問われる形式です。
✔ 難易度は“基礎レベル+実務感覚”

FASS検定は、
簿記検定とは異なる難しさがあります。
会計の理論よりも“実務の勘どころ”を求められるため、
業務経験がある方には比較的取り組みやすいでしょう。
とはいえ、未経験者でも独学や参考書で十分対策可能です。
実務書籍・問題集に慣れておけば、
初回でC〜Bランクを目指すことも現実的です。
FASSは“知識”と“実務経験”のバランスを問う検定。
そのため、事務職から経理職へキャリアチェンジを目指す方にも、
良い実力チェックの機会となるでしょう。
3. どんな人に向いている?
FASS検定は、
経理・財務の実務スキルを「見える化」したい人にぴったりです。
✔ 経理経験者のスキル棚卸しに
たとえば、経理の仕事を2〜3年経験している方。
業務の中で学んだことを「自分は何が得意か」「何が弱いか」
客観的に整理したいと思ったことはありませんか?
FASS検定は、自分の得意分野や弱点を明確に示してくれます。
履歴書や職務経歴書に記載すれば、
企業側にも「この人は実務に強い」と伝わりやすくなるのです。
✔ 未経験者の“やる気”アピールにも

一方で、まだ経理の実務に就いていない人でも
FASS検定は受ける価値があります。
「簿記は勉強したけど、実務経験がない」
そんな不安を抱えている人にとって、
FASSのスコアやレベルは心強い武器になります。
▲ 自分のスキルを見つめ直すケイタくん
実務者にも、未経験者にも。
FASS検定は「学びたい姿勢」と「実務感覚」の両方を
見せられる手段のひとつなのです。
4. 勉強方法とおすすめ教材
FASS検定は独学でも挑戦可能な試験です。
ただし、出題範囲が実務ベースであるため、
効率的に学習するにはコツが必要です。
✔ まずは「公式サイト」で全体像を把握
まずはFASS検定の公式サイトにアクセスし、
出題範囲やサンプル問題に触れてみましょう。
「経理・財務のどの領域が問われるのか」が明確になります。
✔ 無料の過去問題・模試を活用
FASS検定では、模擬テスト(FASS eラーニング)も提供されています。
無料とはいえ本番に近い形式で、実力チェックにも最適です。
▲ 模試とテキストで勉強に励むケイタくん
✔ 市販の対策本もおすすめ
独学で基礎から固めたい場合は、
「FASS検定対策テキスト」(日本CFO協会監修)などが安心です。
初心者にもわかりやすく、実務例を交えて解説されています。
また、簿記の知識が浅い方は、
先に「簿記3級〜2級」の基礎を学ぶと
FASSの理解もスムーズになります。
📝 まとめ
FASS検定は、経理実務の「見える化」を実現する上で非常に有効なツールです。
未経験の方が自分の学習進捗を測るため、また経験者がスキルを客観的に証明するためにも有効活用できます。
特に30代・40代の転職では、資格だけでなく「どんな力があるのか」を示せる材料が重要です。
FASSを活用し、あなたの経理スキルを一歩先のキャリアにつなげていきましょう。