1. 営業や事務から経理へ転職は可能?
経理職は専門職と思われがちですが、実は「営業」や「事務」からのキャリアチェンジも十分に可能です。
とくに30代・40代の転職市場では、「社会人としての総合力」や「現場のリアルな視点」を持つ人材が重宝される傾向があります。
実務経験より“社会人力”が評価される
もちろん、簿記や経理ソフトの知識があればベストですが、それ以上に見られるのは「報連相ができる」「期日を守る」「数字に強い」といった仕事の基礎力です。
営業や事務で培ったこれらのスキルは、経理にそのまま応用できます。
たとえば営業職で「数字を管理してきた経験」や、事務職で「複数業務をミスなくこなしてきた実績」は、経理職の基礎能力として評価されるのです。
また、企業側としても「新人の経理経験ゼロ」より、「社会人経験があり、会計の勉強を始めている人材」に安心感を持つ傾向があります。
30代・40代からでも遅くない

年齢を気にして「今さら経理なんて無理では?」と思うかもしれません。
でも、実際には「異職種からの経理転職」は年齢に関係なくニーズがあります。
とくに中小企業やベンチャー企業では、1人で幅広く業務をこなせる人材が求められるため、営業・事務出身者が歓迎されることも多いです。
「これまでの経験×経理スキル」で、あなたならではの価値を生み出すことが可能です。
2. 活かせるスキルとは?
営業や事務の経験を、経理でどう活かせるのか――。
ここでは代表的なスキルをいくつかご紹介します。
数字を扱う感覚や慎重さ
営業では売上の数字、事務では請求やデータ入力など。
「ミスを防ぐ」「正確に処理する」経験は、経理で必須の資質です。
とくに数字への意識が高い人は、経理の仕事でも早く信頼されやすい傾向があります。
スケジュール管理力・タスク処理力
営業や事務では、納期・締切のある仕事に追われる場面が多いはず。
こうした中で培った「優先順位をつけて処理する力」は、経理の月次・年次業務で生きてきます。
社内外のやりとり・調整経験
経理も、黙々と机に向かっているだけではありません。
部署とのやりとり、税理士との調整、取引先との支払確認など、意外と人と関わる場面も多いのです。
その点、営業や事務で「社内外のコミュニケーション」に慣れている人は大きな強みを持っています。
“言われなくてもやる”姿勢

経理はルーティン業務も多いですが、「自分で気づいて動けるか」が求められる仕事です。
営業や事務で「自走型」で動いていた方は、そのまま高く評価されます。
逆に、指示待ち体質だと評価は下がりがちです。
だからこそ、これまでの積極性はアピール材料になるのです。
3. 応募時に工夫すべきポイント
未経験OKの経理求人に応募する際、ちょっとした工夫が結果を左右します。
ここでは、30代・40代でも通過率を上げるためのコツを紹介します。
「なぜ経理に?」の理由を明確に
応募書類や面接では、経理を目指す理由を問われます。
ここで「安定しているから」だけでは弱い印象に。
「数字に強く、細かい作業が得意だから」
「業務改善が好きで、会社の支えになる仕事がしたい」
そんな風に、経験や適性とリンクさせて理由を語るのが効果的です。
実務に近い経験を“経理的に”語る
たとえば営業事務での請求書作成、会議での予算資料づくりなど。
その中に「経理的な視点」があったことを伝えましょう。
書類では「売上集計や入金管理を正確に対応」
「部内予算の実績確認に携わった」など、実務のつながりを見せると印象が変わります。
資格取得や学習をアピール
日商簿記3級でも、勉強中でも構いません。
「知識をつけようと努力している姿勢」は、大きな評価ポイントです。
特に30代・40代での未経験転職では、この“学ぶ意欲”を強く見せることが、書類通過に直結します。
履歴書をチェックするケイタくん
4. 書類選考・面接で見られるポイント
未経験から経理を目指す場合、面接官が注目するポイントは少し変わります。
ここでは、書類選考や面接で評価される視点を具体的に紹介します。
安定志向だけでは足りない
「経理は安定しているから」という理由だけでは選考通過は難しい傾向にあります。
経理がどんな役割で、どう自分が貢献できるのか。
ここを自分の言葉で語れることが大切です。
具体的な志望動機に説得力を
たとえば「これまでの業務で数字を見る機会が多く、経理業務に近い対応をしていた」
「財務体制の整った会社の中で、縁の下の力持ちとして働きたい」
など、納得感のある内容にしましょう。
継続力やミスを防ぐ工夫も評価対象

経理の仕事はコツコツと積み重ねる継続性が必要です。
前職で「毎日同じ作業をどう正確に続けていたか」
「チェック体制をどう工夫していたか」などを面接で話すと好印象です。
5. 未経験歓迎求人の“落とし穴”に注意
「未経験歓迎」と書かれている求人、つい惹かれてしまいますよね。
でも、言葉の裏には注意すべきポイントがあるんです。
“歓迎”は即戦力を意味しない
企業側が「未経験歓迎」と書くのは
教育体制があるからではなく、
「教えながら即戦力になってほしい」場合もあります。
そのため、入社してすぐ多くの業務を任されたり
マニュアルなしで実務に入ることも。
覚悟が必要なケースもあるんです。
業務内容の幅に要注意
「経理アシスタント」と書かれていても
実際は電話・来客対応や庶務が中心のことも。
せっかく経理職を目指しても
経理スキルがほとんど身につかない…
なんてケースは避けたいですね。
見極めのポイントとは?

求人票に「仕訳」「月次決算補助」など
具体的な業務が明記されているかチェックしましょう。
さらに、面接では
「どのような教育体制がありますか?」
「未経験で入った方の研修例を教えてください」
など、踏み込んで聞くのが安心です。
📝まとめ+▶ 関連記事ボタン
営業や事務で培った経験は、経理職でも確実に活かせます。
未経験でも、自分の強みをしっかり言葉にして伝えれば、チャンスは十分にあります。
数字への意識や丁寧な対応力、社内外との調整スキルなど、あなたがすでに持っている力が武器になります。
そして何より大切なのは、「なぜ経理を選ぶのか」「どんなふうに貢献したいのか」という前向きな意欲です。
30代・40代の転職で不安を感じる方もいるかもしれませんが、
過去の経験を“別の形で活かす”という視点で、ぜひ一歩踏み出してみてください。