経理ってどんな仕事?未経験からでも目指せるキャリアの第一歩

経理転職ガイド

1. 経理ってどんな仕事?

「経理」と聞くと、帳簿や数字に向き合う静かな仕事…そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。ですが実は、会社の“お金”の流れをすべて把握し、支える非常に重要なポジションなのです。

経理の仕事は、日々の入出金の記録から始まります。現金や振込などの処理、請求書の発行・管理、そして帳簿への記帳作業。どれも、企業の活動を“見える化”するために欠かせません。

経理は「お金の健康診断士」

さらに、月次決算や年次決算の準備、税金の計算・申告など、定期的に大きなイベントも控えています。単なる“事務職”ではなく、「数字を読み解く力」が求められる知的な職種です。

また、取引先とのやり取りや、社内各部署との連携も必要になります。たとえば営業部門と連携して売上の確認をしたり、総務部門と給与支払の情報を共有したり。経理担当は、会社全体の動きを把握する“ハブ”的な存在とも言えるでしょう。

最近では、会計ソフトやクラウドサービスを活用する企業も増えています。そのため、ITスキルもあればより活躍しやすくなる時代です。

つまり、経理の仕事は「数字とパソコンに黙々と向き合うだけ」ではありません。むしろ、経営陣の意思決定を支え、会社を下支えする、やりがいのある仕事なのです。

経理という仕事を知れば知るほど、「もっと深く学びたい」「この分野で役に立ちたい」と感じる方も多いはず。未経験の方にとっても、スキルを積みやすく、キャリアアップが狙いやすい職種と言えるでしょう。

2. 1日の仕事の流れは?

経理の仕事は、日々のルーティンが中心です。 そのため、1日の流れをつかむことが重要です。 ここでは、一般的な中小企業の経理担当者の ある1日を、ざっくりご紹介します。

まずは朝、メールチェックから始まります。 社内外から届く請求書や支払依頼などを確認。 支払日が近いもの、対応が必要なものを整理します。

午前:処理と仕訳の時間

午前中は、伝票の処理や仕訳作業がメインです。 前日や当日分の入金・出金の確認を行い、 会計ソフトに記帳していきます。 現金出納帳やネットバンキングの明細とも つき合わせながら、ミスのないように丁寧に。

また、月初や月末には取引先への請求書発行や 支払予定表の作成、社内報告用の資料作成なども この時間帯に行うことが多いです。

お昼をはさみ、午後からは少し余裕のある時間。 社内の他部署からの問い合わせ対応や 売上データの確認、ファイリング作業をします。

午後:確認と社内対応

ときには営業部から「この取引の入金状況は?」 といった確認が入ることもあります。 そんなときも、落ち着いて資料を探して対応。 こうしたやり取りを通じて、社内での信頼も 積み重ねていくのが経理の役目です。

終業前には、当日の処理の見直しを行います。 入力ミスがないか、書類の未処理はないかを確認。 必要があれば、翌日のタスクをリスト化して終了です。

毎日が同じようで、実は一日として同じ日はない。 経理の仕事には、そうした小さな変化と判断があり、 それが仕事の面白さでもあるのです。

3. 経理職に向いている人は?

経理はコツコツ型の仕事が多く、 「正確さ」と「根気強さ」が求められます。 ですが、向き・不向きは決して一概には言えません。 ここでは、経理に向いている人の特徴を紹介します。

細かい数字に抵抗がない人

経理では、日々の伝票や帳簿を扱います。 1円の違いも見逃さない、そんな正確さが大切。 数字が多いと苦手…という方には 少し負担に感じる場面もあるかもしれません。

とはいえ、エクセルや会計ソフトが整備されており、 基本操作ができれば、慣れていくことが可能です。 細かい作業にやりがいを感じる方には やりがいを感じられる職種と言えるでしょう。

物事を整理するのが得意な人

経理の資料は、常に「整理整頓」がカギ。 書類の管理やファイル名のルール化など、 地道な工夫が業務の効率に直結します。

仕事が山積みになっても、 優先順位をつけて動ける人ほど重宝されます。 「この仕事、どこから手をつければいい?」と 迷う場面でも、落ち着いて処理できる人が活躍します。

「縁の下の力持ち」タイプ

経理は、表舞台に出る機会は少ないですが、 会社を支える大切な役割を担っています。 誰かの役に立つことに喜びを感じる方、 裏方で貢献したい方にぴったりです。

ミスが許されない分、責任も感じますが、 「任されている」という充実感もあります。 数字に表れる結果が、やりがいにもつながります。

4. 未経験から目指すには?

「経理の仕事って、なんだか難しそう」 そう感じている方も多いかもしれません。 でも安心してください。実は未経験OKの求人も増えています。

大切なのは「できること」から始めること。 最初からすべて完璧にできなくても大丈夫です。 むしろ未経験者には、丁寧に教える企業も多く存在します。

まずは「簿記3級」から

経理の基本を学ぶなら、日商簿記3級がおすすめです。 仕訳や帳簿の基礎を学べるので、 転職前の準備としても高評価につながります。

通信講座や動画学習アプリを活用すれば、 スキマ時間でも効率的に学べます。 学習中であっても、アピール材料として活かせます。

実務に近い「アシスタント業務」も◎

未経験で採用されやすいのが、 経理アシスタントや事務職です。 書類整理やデータ入力、請求書の管理など、 業務の一部から入る形が多くなっています。

このようなポジションでも、 経理業務の流れを実際に経験できます。 最初の一歩として、とても現実的な選択肢です。

転職エージェントを活用しよう

未経験から経理職を目指す際には、 転職エージェントの力を借りるのが心強いです。 自分では見つけにくい求人を紹介してくれたり、 書類添削や面接対策まで対応してくれる場合も。

特に経理専門のエージェントなら、 業界の動向や内定に近づくコツまで熟知しています。 一人で悩まず、相談してみるのも有効な一歩です。

5. 経理のキャリアパスとは?

経理は「経験を積むごとに成長できる」職種です。 そのためキャリアパスも非常に明確です。 地道に経験を積むことで、確実にスキルアップできます。

最初は請求書処理や仕訳入力など、 いわゆるルーティン業務から始まります。 ですが、その先には幅広い活躍の場が待っています。

年次ごとの成長ステップ

入社1~2年目は、定型業務が中心です。 この時期は基礎の精度を高めることがポイントです。 先輩のチェックを受けながら確実に進めます。

3~5年目になると、決算業務や税務対応にも関わり始めます。 このころから、会計事務所や監査法人とのやりとりも発生します。

管理職やスペシャリストの道も

経験を積めば、経理マネージャーや課長職も目指せます。 メンバーの育成や、全社の会計戦略を担う立場になります。 一方で、税理士・会計士の資格を取得して、 専門性を深めるスペシャリストの道を選ぶ人もいます。

経理からの転身も現実的

実は経理のスキルは、他部門にも応用できます。 たとえば経営企画、財務、総務部門などでも重宝されます。 経理出身の人材は「数字に強い人材」として評価されやすいのです。

このように、経理は「ひとつのゴール」ではなく、 「複数の選択肢が広がるスタート地点」にもなり得ます。

📝まとめ

経理という仕事は、コツコツ型に見えて、実はとても奥深い職種です。 毎月・毎年の繰り返しの中で、スキルが積み上がっていく実感があり、 気づけば「数字に強いプロフェッショナル」になれる力を秘めています。

また、近年はクラウド会計ソフトの進化やDXの流れもあり、 経理職に求められるスキルも少しずつ変化しています。 だからこそ、「人にしかできない判断力」や「社内連携力」など、 経験とともに磨かれる力が、今後ますます重宝されていくでしょう。

30代・40代で経理職を志す方にとっても、 年齢はハンデではなく、「経験値」として活かせる材料です。 未経験であっても、前職の経験を組み合わせれば十分戦力になります。

これから経理職を目指す方、あるいはキャリアの再構築を目指す方にとって、 この記事が少しでもヒントになれば幸いです。

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