
「税務の経験はあるけど、経理ってできるのかな?」
そう悩む方は意外と多いものです。
税理士法人や会計事務所で実務を積んだ方が、企業経理に転職を考える──そのときに直面しやすいのが「評価されるのか不安」「面接で何を話せばいいかわからない」といった迷いです。
この記事では、税務と経理の違い、税務経験者が評価されやすいポイント、そして面接対策まで、具体的に整理してご紹介します。
税務と経理の違いとは?共通点とズレを知ろう
まず押さえておきたいのが、税務と経理の業務内容の違いです。
- 税務:申告書作成、税務相談、税務調査、顧問先対応
- 経理:仕訳・記帳、決算業務、予算・実績管理、経営資料の作成
税務は「外部(税務署)」との関係が強いのに対し、経理は「社内(経営や他部署)」との連携が重要です。
とはいえ、共通する部分も多くあります。
会計知識、仕訳処理、財務諸表の理解など、税務経験は経理でも十分に土台となる力になります。
税務経験者が評価されやすいポイント
経理未経験と不安に思う方もいますが、実は以下のようなスキル・経験は経理職でも高く評価されます:
- 法人税・消費税の申告経験
- 税務調査の対応
- 複数企業の決算書レビュー(巡回など)
- Excelでの集計や仕組みづくり
- 顧客折衝・提案経験
とくに中小会計事務所出身の方は「幅広くなんでも対応してきた」という実務力が、経理の現場で即戦力と見なされやすい傾向にあります。
面接でよく聞かれる質問とその対策

企業経理に応募すると、面接では次のような質問がよくあります。
- なぜ税務から経理に?
→ 税務知識を活かしながら、企業内で会計業務の幅を広げたいという前向きな動機を。 - 経理経験がないのでは?
→ 税務と経理の共通部分を具体的に説明し、実務との接点を明確に。 - 将来どんなキャリアを考えている?
→ 経理の専門性を深めつつ、組織貢献やマネジメントにも関わっていきたい意欲を伝えると好印象。
NG例として「楽そうだから」「残業が少ないから」だけの理由では、やる気に欠ける印象になってしまいます。
実際に経理に転職した人の声
税務から経理へ転職し、活躍している方はたくさんいます。
事例①:税理士法人 → 上場企業の経理
「税効果会計や引当金に関しての理解が深いと言われ、業務の中でも頼られる場面が増えた」
事例②:会計事務所 → メーカー経理
「原価計算や部門連携は初めてだったけれど、税務的視点を活かせる瞬間があり、やりがいを感じています」
経理職で求められるスキルとは?
転職前に、以下のスキルが備わっているかチェックしておくと安心です:
- 日商簿記2級以上
- Excel(VLOOKUP、IF関数、ピボットなど)
- 決算の流れを理解している
- 社内部門との連携・調整スキル
- freee・弥生・SAPなどの会計ソフトの基本理解
また、職務経歴書では「税務の中で得意な領域」や「どんな成果を出したか」を明確に伝えることが重要です。
まとめ|税務経験は経理職でしっかり活きる
経理未経験…と感じていても、実務の多くはすでに税務の中で経験している内容が多く含まれます。
大切なのは「違いを知ったうえで、どう活かすか」を言語化すること。
企業経理への転職は、税務出身者にとって十分に現実的な選択肢です。
自信を持って、自分のスキルを整理し、次のステージへ進んでいきましょう。